【マグロ】「鉄分」豊富だけど、“妊婦中”&“授乳中”は要注意なワケ
2024-10-09
著者: 健二
10月10日は「マグロの日」です。全国一円の遠洋かつお・まぐろ漁業者によって構成された、漁業協同組合である「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」が1986年に制定したとされています。
マグロは栄養価が非常に高く、特にたんぱく質やビタミンB群、鉄分、DHAやEPAなどが豊富です。しかし、実際にどのような栄養素が含まれているのかを知ることが大切です。管理栄養士の檜垣さんに話を聞きました。
1日の適正摂取量は5切れと言われています。
Q. マグロにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
檜垣さん「赤身の魚なのでタンパク質や鉄分が豊富です。そして‘良質な脂’といわれる、体内で生成できないDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も多く含まれています。トロなど脂身の多い部位はその分、脂質やカロリーが高いものの、それだけDHAやEPAも豊富です。
一方、赤身はカロリーが低く、鉄分が豊富であることが特徴です。また、油脂性ビタミンのビタミンDやビタミンEなども代表的な栄養素です。」
Q. マグロの適切な摂取量はどの程度でしょうか。食べ過ぎると、どのようなリスクが生じる可能性がありますか?
檜垣さん「カロリーや脂質などの面から考えると、1日の適正摂取量は50グラムといわれています。具体的に説明しますと、濃厚な下味の一切れが10グラム程度なので、5切れくらいが目安となります。食べ過ぎはカロリーオーバーからの肥満や、心臓病のリスクが高まる可能性もあります。」
さらに、マグロは水銀の濃縮もありますので、特に妊婦や授乳中の方は注意が必要です。水銀は胎児や乳児に悪影響を及ぼすことが知られていますので、妊婦や授乳中の方は摂取する際にリスクを考慮する必要があります。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、妊婦や授乳中の女性に特に注意を促しています。
Q. マグロと組み合わせるのにオススメの食材について教えてください。
檜垣さん「マグロを含め、新鮮な魚介類やビタミン豊富な野菜を合わせるのが良いです。例えば、レタスやブロッコリーなどの緑の葉野菜は栄養価が高く、マグロのうま味を引き立ててくれるでしょう。さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンCを含む食材—例えばトマトや柑橘類などを合わせることで、さらなる栄養バランスが強化されます。
また、マグロの筋肉にはカルシウムも含まれているので、サラダにアボカドやきのこ類を加えて、食事の満足感を高めるのも良い方法です。」
このように、マグロは栄養価が高い一方で扱いを誤ると健康リスクが伴うため、特に妊婦や授乳中の方は注意を怠らず、賢く摂取していくことが大切です。