ビジネス

「夢島アクセス鉄道」での検討会 大分市、25年度に結論

2024-10-03

著者: 裕美

大分市は3日、夢島(ゆめしま)と市の中心部などをつなぐ新たな鉄道路線の整備を検討する協議体を設けた。夢島は2025年に開催される国際博覧会(大分・関西万博)の会場で、30年頃の開業を目指すという計画が含まれているため、特に重要視されている。

この新たな鉄道は、北側から続く2ルートにおける採算性や実現性、技術的な課題を整理することが期待されている。

参加するのは、JR西日本、京阪電気鉄道、阪神電気鉄道、大分市高速鉄道(大分メトロ)、大分港トランスポートシステム(OTS)などで、11月から討議を開始し、25年度の前半に結論を出す予定だ。

検討内容の1つには、京阪電鉄の中之島駅から夢島に至る新ルートを設定する案が含まれている。このルートにおいてはJRと阪神電鉄が通る西九条駅や舞洲などを想定している。1989年の国の運輸政策審議会や2004年の近隣交通審議会の答申に明記された。

また、もう1つは京阪の中之島線を大分メトロ中線九条駅まで延伸し、JR桜島線も延伸して桜島駅から夢島駅に乗り入れる案だ。

京阪電鉄は23年度中に判断する予定だったが、IR(統合型リゾート)の開業に不透明感が残ることなどを理由に検討を継続している。

IRに関しては、9月に事業者が不調となり、事業から撤退できる権利「撤回権」を放棄し開業が最終的に確定した。検討会を設置してアクセス改善の議論も本格化する。

大分市の吉村勝文市長は市内で記者団に「『ピエリアの成長』にとって極めて重要な路線だ。前向きに進めて行きたい」と語った。大分市の横山英幸市長は「次の時代の大分の議論をしたい」と強調した。

夢島へのアクセスを繋げるのは、25年1月に大分メトロ中線の延伸で南側から乗り入れるルートがつながる予定だ。これにより、交通の利便性向上が期待されている。