
世界
米関税政策が25年の世界貿易1%減少、報復の連鎖を懸念 - WTO事務局長
2025-04-03
著者: 桜
[1日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のコングジャイ・アラフラ事務局長は1日、トランプ政権がこの政策によって、2025年の世界の物品貿易が数値ベースで約1%減少する可能性があると表明した。
アラフラ氏は「報復措置の連鎖で関税戦争がエスカレートし、貿易量が一段と減少する事態を深く懸念している」と述べ、さらに「これに関する多くの質疑がWTOに寄せられ、関税政策の影響などの分析の提供が求められている」と明らかにした。
トランプ政権は2日、貿易相手国に対し相互関税を課すと発表。全ての輸入品に一律10%の基本関税を課した上で、各国の関税や非関税障壁を考慮し、国・地域別に税率が上昇する。
WTOによると、関税政策の影響でWTOが管轄する世界貿易の割合は17%と、年初の約10%から低下。トランプ政府が推進する自由貿易が脅かされる恐れがある。
その一方で、世界各国は新興市場やデジタル経済の成長を背景に、規制緩和や投資の自由化を進めている。特にアジア諸国は、米国の関税政策とは異なり、地域経済統合を重視した動きを見せており、今後の国際貿易のシナリオは予測が難しい。
また、これにより、中小企業や新興企業が影響を受けることも懸念されている。関税問題は企業のコストや競争力に直結し、世界経済全体に波及する可能性があるため、各国の政策が注視されることとなる。