
欧州市場の主要指標11時半、独仏株、下落金は最高値を更新
2025-03-28
著者: 愛子
【NQNロンドン=辻山道子】28日の午前の欧州市場でドイツとフランスの株式相場が下落している。米国税政策を見極める貿易摩擦が激化することへの懸念が強く、投資家の安全資産への逃避が続いている。銀行や航空、製造関連株が特に影響を受けており、公共や食品関連のディフェンシブ株は買われている。
具体的な数字として、英国時間11時半時点で、欧州主要600社の株価指標であるSTOXX600は前日比40.4%下がり、ドイツのDAX指数とフランスのCAC40指数もそれぞれ0.6%下落している。自動車や自動車部品に関連する企業株では特に売りが目立っている。イギリスではFTSE100が前日終値に近い水準で一進一退となっている。
さらに、ストックス600の構成銘柄以外でも、大手ユーロ圏の企業が相次いで業績見通しを出していて、27日には一部の企業タイトルを手掛ける子会社として分社化する計画が公表された。新設される企業に対して中国ネットサービス大手の上場予定株(テンスシャント)が11400億ユーロを調達することが公表された。
ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物は1バレル74ドル前後と前日終値に近い水準で小動き。非鉄金属は、国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅とアルミニウムの3ヶ月先物が下落する一方で、ニッケルの3ヶ月先物は上昇している。
ロンドン市場外為において、ユーロは対ドルで下落し、1ユーロ=1.0770~80ドルと前日の英国時間16時時点に比べて0.0020ドルのユーロ安ドル高で推移している。米国税政策を取り巻く懸念から、高調整のユーロ売り・ドル買いが出ている。ポンドも対ドルで下落し、1ポンド=1.2920~30ドルと同0.0040ドルのポンド安ドル高となっている。
これに加えて、欧州全体で企業の高配当株も注目を集めており、特にインフレによるコスト圧力上昇に対抗するための資本維持が極めて重要視されている。このような環境下で投資家はより慎重な姿勢を求めている。株式市場の動向に影響を与えそうな利上げ観測もまた、投資家の関心を引いている状況だ。今後もこうした市場の動向から目が離せない。