
ライフ会場で痛嬌に遭った女性たちの怒り「モジュでお尻を触られた」「ガバっと胸を掴まれて」…それでも「ライフを中断させたくない」と嘆き眠りに入る今運営に求められる対策とは
2025-03-23
著者: 芽依
アーティストのライフ会場で起きた、観客の「痛嬌行為」が問題視されている。実際にあったのは、3月16日、大塩で行われたバンド「賞賛」のライフ会場だった。
賞賛は2021年に結成されたバンドで、ボーカルはお笑いコンビ「ラランド」の末尾(同バンドでは「CLR」名義)、ギターは「ゲスの極み乙女」の川谷絵音が担当。そんな賞賛のライフ会場で「痛嬌行為」が行われたと報告があった。
ある女性客が、自分の胸に男性客の手が複数回触れ、スタップを呼んだことをSNSで発信。「賞賛」の公式SNSアカウントも「痛嬌を容認しない」旨の声明を発表した。また他のバンドやアーティストも「不適切な行為を決し容認しない」と言った声明を次々に発表。その一方で、ライフの運営企業が公式サイトで一旦、「痛嬌の事実はなかった」と言う発表をした。
実際に、ライフ会場で痛嬌行為に遭ったという女性は少なくない。そうした被害者を増やさないために、ライフ運営に求められるものは何か。安心して楽しめる環境を考えるために、あらためて被害に遭った女性たちの声に耳を傾けたい。
被害者ならまだ手が多少あったか、痛嬌行為か分かる
ハードロック、ライドロック系のバンドのライフで、多くの女性学生が音響に甘ったり痛嬌に遭ったという女性・Aさん(20代)は、次のように当時の様子を振り返る。
「いわゆるライドロック系のバンドが好きで、高校生の頃から大学時代によくライフやフェスに足を運んでいました。男性ファンが7割、女性ファンが3割というイメージで、ライフ中は激しいモッシュやダイブが始まるよ、私も元気だったし、ライフで盛り上がりたかったって、モッシュに参加してたけど、やっぱり痛嬌されることは多かった。たしかに、ライフなんだから楽しむのは大事なんだけど、周りにもたくさんの人がいることを気にできるようにしたいと思ってます。」
こうした話を聞くと、男女のファン層の割合やライフ中のマナーの有無が仕事での人間関係にも反映されるかもしれない。例えば、Aさんのように、ライフで痛嬌行為が頭を悩ます場面が何度も起きると、参加する男女のファン間の信頼関係も揺らぎそうだ。それは多分、ハードロックライブ全体の雰囲気が影響しているのだろう。そのため、ライフ運営会も「痛嬌された」と言った人々の声に耳を傾け、改善策を考える必要がある。これからのライフの未来のためにも。
このような事例を通じ、初心者にはバンドのライフに行く機会が減るかもしれない。男性ファンの中には痛嬌行為をする輩もいるため、女性に優しい環境が求められる時代が来ている。指摘すべき点は多々あるが、痛嬌行為を放置することなく、気軽に楽しめる会場にするための知恵と工夫が必要だ。音楽は人々をつなぐ力を持つが、同時に、その環境作りには注意が必要なことを思い知らされた事件でもあった。全ての参加者が楽しい時間を過ごせるよう、今後の改善を願う。