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三井UFJ・三井住友FG「買い」継続。金利上昇が追い風、二期連続の最高益(正田真之)

2024-11-18

著者: 芽依

三井UFJフィナンシャルグループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)について、アナリストは2019年以降、「強い買い推奨」を継続してきました。この投資判断は今も変わりません。

告知事項

みずほFGの子会社であるみずほ証券の出資(49.0%)を受けている。そのため、みずほFGは投資判断の対象外としています。アナリストは三井住友FG株が1株7,000株保有していると説明しております。

買い推奨の理由

三井UFJと三井住友FGに関する「買い」推奨の理由は以下の4点です。

1. 利益増加と二期連続最高益更新の見通し

両社とも金利上昇で利益増加・二期連続で最高益更新の見通しです。欧米ではもちろん、日本でも長期金利上昇の恩恵で、両社とも預貸金利差(貸出金利と預金金利の差)が拡大し、今期(2025年3月期)の連結純利益は2期連続で最高益更新の見通しです。

2. 高い配当利回りのバリュー株

両社とも最近、株価が大幅に上昇した。それでも現時点の株価で見て、PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)が低く、配当利回りが高いバリュー株として投資の魅力があると言える。特に三井住友FGの配当利回りは最近の株価上昇にもかかわらず魅力を保っている。

3. 海外事業の拡大とユニバーサルバンクとしての地位

両社とも近年、海外での事業拡大が進んでおり、特にアジア地域でのネットワークを強化しています。これにより、低金利でも安定的に高収益を上げるビジネスモデルを築きつつあります。

4. 利益還元に積極的

両社とも、業績好転に伴って自社株買いや配当の増配を推進しています。9月中間決算の業績も好調で、過去最高益を更新した。金利上昇の恩恵を享受しながら、配当利回りの向上も期待できるため、中長期的な投資先としても魅力的です。

最新の業績情報

三井UFJ及び三井住友FGは4-9月期(2025年3月期上半期)決算では業績好調で、過去最高益を大幅に更新しました。金利上昇の恩恵で預貸金利差も拡大し、また持ち株式の売却益も上昇しました。

2024年4-9月期の純利益・業務純益

三井UFJの中間純利益は前年度同期比36%増で、特に①注を除く業績46%の増加でした。

特異要因について

三井UFJの前年度上半期の中間利益には、持分法適用会社モルガンスタンレーの持分法適用益が含まれていて、特にその決算期変更による一時的な利益が影響していることに注意が必要です。特に同社の今上半期中間利益には、アルタヤ銀行の決算期変更による一時的利益221億円が含まれています。この要因を考慮すると、同社の上半期中間利益は、前年同期比46%の増益と見込まれます。

今後の見通し

この数値は明らかに、両社とも通期業績予想で最高益を更新する可能性が高いことを示唆しています。上半期決算の発表後、通期の業績予想更新を見込まれています。