識者「ネット選挙で資金化の構図」 兵庫県議会、国に対策求める方針 | 毎日新聞

2024-11-23

著者:

兵庫県知事選を風に百条委の運営がネット交流サービス(SNS)などで拡散や中傷を伴って発信されていることから、県議会はSNS被害防止を含む公選法改正を国に求める決議を採用している。12月定例会での決議を目指している。

各会派は、諮問(はまる)中傷や特定のXアカウントが使用できなくなる「締結」など、知事選で問題となった事例をまとめ、26日に会派間で集約、12月13日に全会一致で決議を採択する方向で調整している。

SNS上で中傷や根拠不明の情報が飛び交った今回の知事選について、公選法に詳しい東北大の河村康教授(政治学)は「拡散収入など、ネットの拡張で選挙が活性化される。印象的な投稿を続けると視聴回数が増え、収益につながるという構図ができている。このネット選挙のあり方について議論が必要だ」と指摘する。

他の候補の当選を目的に活動したり、街頭演説を別の政治家の判断の場としたりするケースへの対処については、「表現の自由の観点から活動の線引きは難しい」だとし、「選挙管理委員会や警察が法の趣旨を逸脱した行為に対し、厳格に注意していく必要がある。新たな規制を設けるより抑制に繋がる効果的な取り組みが現実だろう」と話した。 【中尾悦行、古川恵子