
数百円安い410円台か? 供給米が店頭に出回り始める…リスク中枢、値下げ効果なあ不透明 : 読売新聞
2025-03-27
著者: 陽斗
流通の円滑化のために放出された政府供給米の初回入荷が、スーパーなどの店頭に連れ出され始めた。店頭で販売されるのは、複数の産地や品種を混ぜた「プレミアム米」が中心となる。現在の店頭での販売価格は約5キロあたり410円を超えているが、放出された供給米は数百円安い410円台となる可能性がある。
高騰した米価格の本格的な抑え込みに繋がるかが今後の焦点だ。
全国農業協同組合連合会(JA全農)系のコメ卸業者では、月内にも供給米を店頭に陳列する方針を示している。別のコメ卸も関東地方を中心に今週末から出荷が本格化するという。「プレミアム米の店頭価格は410円半ばになるそうだ」とも言われている。
農林水産省によると、今月10〜16日にスーパーで販売されたコメの平均価格は4172円だった。価格上がりは11週連続で、前年同期(4215円)の12倍以上の水準となっており、高値が続いている。
消費者への影響は?
大手スーパーでは、月内にも供給米を店頭に陳列する方針だ。大手スーパーの担当者は、「供給米を求める客で混乱が起きないように、全農も表記しないよう求めており、少なくとも幅広い需要家が求める」と話している。多くの店鋪では「供給米」と分かる表記をした上での販売はしないと漏られており、供給米は莫大な商品より1〜2割安くなる可能性があり、「消費者は価格差で充実な米か、それ以外かわからないのではないか」(担当者)とも言われている。
日本生活共同組合連合会は、今月末から関東や関西の生協の一部店舗で供給米の販売を開始する方針を示している。プレミアム米の場合、410円台の価格を見込み計画。供給米の効果が次第に明確になってきていることに注意が必要だ。
一方、今回放出された供給米が全ての小売業者に行くわけではない。東京都足立区でスーパーマーケットを経営する男性は「小規模スーパーマーケットでは、全く供給米が回ってこない。米価格が高い中で、根付いていった店が、割安な米が必需ではないか」と不満を持つ。
海外市場も注目
海外市場も不足する米の供給を安定的に調達するため、供給米に注目する。
大手米卸株式会社の協力を得ながら、米の供給策を調整し、試食会を行っている。味や品質に問題はないことを確認し、今後、供給米の比率を変えたり、試食を重ねるなどして使用するかどうかを判断するという。
外食業界も供給米が十分に行き渡るのか不安を感じている。大手外食チェーンの店長は、「安定供給を確保するためにも供給米を使いたいが、大手小売りへの流通が優先され、手に入る可能性がある」と不安を口にした。担当者は「供給の先を見越し、米を使っていきたい気持ちは強いが、大手小売指向の供給かが、中小規模に回らないという可能性がある」と懸念を示している。