特大ニュース!「弱い」またまたの大リーグ挑戦、「戦力」になり得ず | 毎日新聞
2024-11-09
著者: 雪
「令和の怪物」が、海の向こうを目指すことになった。プロ野球・ロッテの千葉勇人投手が入団当初から望んでいた米大リーグへの挑戦が、プロ生活年数23年で遂に実現した。ちなみに、彼は「育成」と「勝利」の観点からは、実に厳しい5年間だったと言わざるを得ない。
自己最高165キロを誇る右腕は、規格外の「出力」に耐えられる体作りが課題だった。プロ1年目の2020年は一度も実戦で投げることができず、21年にデビューしたが、基本的に中10日以上の間隔を空けていた。開花は22年。4月10日にプロ野球新記録となる13者連続を含む19奪三振の完全試合で圧巻を見せた。今23年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、大谷翔平選手、山本由伸投手らと共に世界一に貢献した。
昨オフ、契約交渉は過年し、春季キャンプ直前の1月26日まで難航した。早期の米挑戦を要望していたが、契約改訂後の記者会見でも「(米大リーグへ)行きたい気持ちはあります」と思いを口にしていた。
25歳未満の移籍は、現行の勤労協定によりマイナー契約の見込みである。本来の年俸も低く抑えられる上、チームに入る金額も大幅に少なくなる。メリットは少ないように思える。
今季、過去4年間との最大の違いは、プロで初めて2桁勝利に到達した点だ。目標に掲げた「カリカイ」にも達し、野球界の大リーグ容認に向けた一つの「大名分」になったと言える。一方で、今季も年間を通じて先発ローテーションを守れなかった。
結局、千葉は本来の意味では戦力になり得なかった。実働4年で1年あたりの平均投球回数は100に満たない。同じく高年俸で日本球界に5年間いた大谷翔平選手とは比べ物にならない。
吉井理人監督が「未完成な部分は正直、まだまだあります」と語るように、千葉はまだまだ成長段階にある。日本人初の大リーグの怪物として成長できるかどうか。