ウエルスナビ、完全子会社化を検討−資産運用ロボアド
2024-11-28
著者: 芽依
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は29日、ロボットアドバイザーによる個人資産運用サービスを提供するウエルスナビの完全子会社化を検討していると発表した。
発表によると、同日開催の経営会議に出席することから、開示する予定事実が発生した場合には、速やかに公表するとのことである。
同日付の日経新聞は、MUFGがウエルスナビの株式公開買い付け(TOB)に踏み切り、全株を取得して完全子会社化する方針であると報じた。少額投資非課税制度(NISA)の普及を受け、資産運用関連サービスを強化する。
ウエルスナビも「本日開催の当社取締役会に出席する予定であり、開示すべき事実が発生した場合には、速やかに公表する」というコメントを発表した。
三菱UFJフィナンシャル・グループとウエルスナビは、2月に資本業務提携の締結を発表し、三菱UFJの資本業務提携を受けて、ウエルスナビが15%を引き出したとされる。政府が資産運用立国の実現を図る中、個人金融資産の形成に資する提供に向けて、各金融機関がサービス強化へとシフトしている。
ウエルスナビの時価総額(今月28日時点)は628億円で、29日の取引は買い気配で始まり、気配値はストップ高となる前日高値の1358円を上回った。MUFGの株価は同0.7%高の1780円。
ウエルスナビの10月末時点の純資産残高は1163億円。瑞穂金融グループによると、日本のロボアドバイザー市場は今後成長を続けるとされ、2060年には資産が12兆円を突破すると予測されている。
シティグループの調査によれば、MUFGは本日付のリポートで、MUFGによる完全子会社化の可能性が高まっていると指摘されている。ウエルスナビのプランフォーメーション進化の実現可能性が高まることが示されている。
その上で、「MUFGにとって、このプラットフォーム構想が実現すれば、より包括的な『金融版スーパーマーケット』を完結させる可能性が高まる」として、「その実現に向けた一步の一つとして提案される」と詳細を述べた。
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