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外為12時円相場が大幅高—1ドル153円台半ばへ、米財務長官発言で

2024-11-25

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25日午後の東京外為市場で、円相場は大幅に上昇しています。12時点で1ドルは153円76銭〜77銭で、前週末17時点と比べて96銭の円高・ドル安となりました。11時半過ぎには153円55銭付近まで上昇幅を広げる場面がありました。

米財務長官の発言を受けて日本時間25日の取引で円長期金利が大幅に低下しており、円買い・ドル売りが活発となりました。次期トランプ政権において米財務長官が指名されたペッセント氏が、財政規律を重視する考えを示し、これが市場に影響を与えました。また、前週末に4.40%で終えていた米長期金利は日本時間25日の取引において4.35%前後まで水準を切り下げており、日本の金利差縮小の動きを見せています。

円相場が強含む中、日本国内では25日が事業会社の決算の集中日であり、5・10日(ごとおき)にあたる10日前の中間決算に向けて輸入企業など国内需要の円買い・ドル売りが意識されています。日経平均株価が1円700円あまり上昇したのも「低リスク通貨」とされる円の買いを促した要因です。

円は対ユーロでも大きく上昇しており、12時時点では1ユーロ=161円23銭〜26銭となり、同1ユーロの円高・ユーロ安が見られました。ウクライナとロシアの戦闘激化で地政学リスクが高まる中、22日発表された11月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想を下回り、景気不安も増しているため、円買い・ユーロ売りが進んでいます。

ユーロは対ドルでも横ばいで、12時時点では1ユーロ=1.0486〜87ドルと前週末と同じ水準です。米財務長官人事を控えてドル売りが強まったものの、欧州景気の不透明さを意識したユーロ売りも継続しており、相対的には強気な展開となっています。市場における雰囲気は依然として緊迫感が強いですが、経済指標の動向次第では相場が再度変動する可能性があるため、投資家は注意を払う必要があります。