健康

小説家がアルツハイマー病に!? 2011年の研究が示す衝撃の結果

2025-03-11

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カナダのトロント大学に所属する研究者たちが2011年に発表した論文『Longitudinal detection of dementia through lexical and syntactic changes in writing: a case study of three British novelists』は、小説家の文章における語彙と文法の変化を通じてアルツハイマー病を検出できる可能性を示唆しています。

アルツハイマー病は、症状が現れる何年も前から脳内での病理学的変化が始まることが知られています。そのため、早期発見のための新たな診断法が求められています。この研究では、著名な作家たちの作品に見られる言語的変化を分析し、アルツハイマー病の早期発見の効能を探っています。

対象となったのは、失語症を患った作家のモードック、同じ病にかかるアガサ・クリスティ、健常に年を重ねたP.D.ジェイムズの3人です。研究チームは、作品の長編小説において、語彙の変化や単語の使用、文法的特徴の変化に注目しました。

特に、50歳以上の作者において文法的正確性が急激に低下することが観察され、アルツハイマー病の前段階で見られる特徴的な言語的兆候を示しています。具体的には、動詞や名詞の使用頻度、短文や単文の増加などが挙げられ、これが作者の認知的変化を映し出していると言います。

研究者たちは、このような分析手法が作家の作品を通じて脳の健康状態を知る手段となる可能性があると指摘しています。さらに、研究結果は一般の人々にとっても有用であり、言語の変化に敏感になれば、アルツハイマー病の早期発見につながるかもしれません。これは、言語における些細な変化に注目することで、認知症予防にも役立つ情報になるかもしれないのです。

この研究は、文筆業に携わる方々だけでなく、私たち一般の生活向上にも寄与する可能性があると言えるでしょう。