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中国、石油は余剰に向かうとの予想 ランを巡る供給混乱に対処へ

2024-10-15

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[ロンドン 11月15日 リッター] - 国際エネルギー機関(IEA)は11月発表の月報で、世界の石油市場は来年、大幅な余剰に向かうとの見通しを示した。ランを巡って原油供給が混乱した場合、必然的に動きが必要になると説明した。

イスラエルがランの石油施設を攻撃するのではないかという投資家の懸念から、石油価格はここ数週間高騰している。しかしIEAは、過去の高水準を指摘し、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要な産油国が構成する「OPECプラス」の余剰生産能力は歴史的高水準だと発表した。

「IEAは供給の動向を捉えて必要に応じて動きが必要な用意がある」との見解を示した。その上で、「今のところ供給は続いており、大きな混乱がなければ、市場は来年夏には余剰になるだろう」と予想した。

また中国の需要も減少傾向にあり、今年の世界の石油需要予測が大幅に下方修正された。

中国の10月の消費量が前年同月比で日量50万バレル減少し、月間のマイナス幅が連続のマイナスとなったことを受け、2024年の同国の需要は日量110万バレル増にとどまるとの見通しを示した。

「中国の石油需要は引き続き予想を下回っており、全体の伸びを抑える主因となっている」と分析されている。この動向が続く限り、世界の原油市場は供給過剰に向かう可能性が高い。