米国経済は根強いインフレ示す見込み、FRBの厳重態勢後退か
2024-11-24
著者: 葵
今週発表される米国の物価指標は、根強いインフレ率を示すと見込まれており、今後の利下げに対する米金利市場の厳重態勢を後退させる内容となりそうだ。
27日発表の米個人消費支出(PCE)統計では、連続準備制度理事会(FRB)が基本的なインフレを判定する上で指標として重視するPCEコア指数が10月に前月比で0.3%上昇、前年同月比では2.8%上昇した見通しにまとまっている。また、同統計では、堅調な家計支出と安定した所得の伸びも明らかになる見通しだ。インフレ調整前の個人消費支出は前月比0.4%増の見込みであり、前月は0.5%増であった。個人所得は2ヶ月連続で0.3%増の予想がされている。
12月17日、18日に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)前には、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の11月分が発表されるが、PCEは10月分が最も新しいデータとなる。PCE統計は、感謝祭の祝日前の27日に発表される一連の米経済指標の中で、投資家にとって最も重要である。同日に、10-12月期(第13四半期)の国内総生産(GDP)改訂値、耐久財受注、新規失業保険申請件数なども発表される。
26日発表の11月16、17日開催のFOMC会合の議事要旨では、金利市場が来月に13回連続の利下げに踏み切るかどうかのヒントを投資家は探るだろう。
米国経済の動向が世界経済にも影響を与える中、FRBの決定は注目を集めている。インフレ率が高止まりする中で利下げが行われるのか、全ての目が次回のFOMCに集中する。金利政策の変化は株式市場や為替市場に大きな影響を与えるため、投資家は要注意だ。特に、住宅市場や消費者信頼感にどのような影響が出るのかが、重要な指標となるだろう。